此の時期、吉野行のさくらライナーの特急券を取ることができず、帰りの18:34吉野発のさくらライナーだけ特急券を取って行きは急行で行きました。近鉄南大阪線は何が豪気かと言いますと、急行でも阿部野橋を出ると次は古市までノンストップで走ります、別料金なしで途中14駅もぶっ飛ばすのは乗客に何か得した気分にさせてくれて好きです。たいがいの電車は特急でも大阪市内では少しずつ停車して客を拾ったりしますが〈(例)京阪/天満橋,京橋 阪急/十三,淡路 阪神/福島,野田 南海/新今宮,天下茶屋など。〉阿部野橋を出るといきなりダッシュして古市までノンストップで走るのは爽快でして、近鉄の豪気に拍手したいです。最も近鉄も大阪線では上本町,鶴橋と止まりますので南大阪線に阿部野橋から次に止まるようなターミナルがないという事と思います…
結論から言いますと、まだ吉野の桜を見た事がなければ是非一生に一度は見るべきでしょう!
今回中千本あたりは少し散り始め、天気も曇りがちでしたが、全山桜のピンクや白に染まる吉野の山の美しさ華やかさはおそらく他の桜の名所を寄せ付けない王者の風格そのものでした。11時頃吉野駅に着いてロープウェイで上ります。途中柿の葉寿司を買って、蔵王堂にお参り、千利休が造園したとも言われる竹林院の群芳園にも入りました。過去二回来た時は夏と秋だったので人も少なく閑散としたイメージでしたがさすがに桜の時節は花見客でにぎわい山の背に続く参道の旅館や休憩所、食事処、みやげ物店の呼び込みの声、人いきれが熱を帯びます。

金峯山寺蔵王堂 大きさに圧倒されます

上千本から蔵王堂を見下ろす 山全体が桜色に染まります

国道沿いの滝見桜付近、少し下れば如意輪寺があります
途中参道から少しわき道を西にそれてブラブラするとテラスのあるカフェがありました。眼下は吉野の山を見下ろす絶景です、周りの山里の感じも春真っ盛りで、花々は競うように咲き、木々の緑もさわやかで遠景には金剛、葛城の山々が連なり、もし私に絵心があれば畢竟この様々な色合いをキャンバスにとどめたいと思わずにはいられませんでしたが、残念ながら心なしか寒いテラスでコーヒーをすすり感嘆するのみでした。吉野水分神社まで上がり、下りは如意輪寺に寄って下りはロープウェイを使わずに七曲りという坂を降りて駅に戻りました。
西行は吉野の桜の歌を60首あまり詠んでいるそうですが、2首だけ挙げておきます。
なにとなく春になりぬと聞く日より 心にかかるみ吉野の山
吉野山 梢の花を見し日より 心は身にも添わずなりにき



吉野川は、大台ケ原や大峰山系を水源として北上し吉野付近で西流し和歌山県では紀ノ川となる大河です。淀川水系と全く対称的に目立った支流もなく本流一本といった感じ、淀川水系の名張川/宇陀川と関戸峠で分水嶺となっているようで、ここを境に北に流れ淀川に、南に流れ紀ノ川となります。